妊活は今や夫婦で行うのは常識。女性が葉酸や妊活成分を摂取して体作りをするように、男性も精子を作り活動を活発にすることが大切です。不妊の原因は女性だけでなく、男性側にもあると考えられており、精子の質や量の低下も問題視されています。

精子はタンパク質により作られる為に、男性の妊活にはプロテインが良いとも言われていますがそれは本当なのでしょうか?またプロテインをどの様に取り入れると妊娠しやすくなるか、他にはどんな栄養が必要かについて詳しく解説していきます。

プロテインは精子の量を本当に増やすの?

精子はタンパク質のかたまりであることから、良質のタンパク質であるプロテインを摂取すると良いと言われているようです。実際にプロテインを摂取したから、精子が劇的に増えるわけではなく「精子が健康に活動したり増やすための力のある成分」が含まれていることで効果を感じやすくなると言えます。

プロテインには筋肉を付けるための栄養が豊富で、成長ホルモンを促進するアルギニンや精子カルシニューリンが含まれています。これが精子を増やしたり、質を高くすると言われるようです。

[プロテインが精子の量を増やす理由1:]アルギニン

マカにも含まれるアミノ酸で、成長ホルモンを促し細胞分裂を促進します。ただ質や量で考えると、マカの方が含有量は多いのでプロテインにこだわる必要は特にありません。効率よくアルギニンを摂取したいのであれば、プロテインだけでなくマカも同時に摂取しましょう。

[プロテインが精子の量を増やす理由2:]精子カルシニューリン

名前からして、精子に良さそうな成分ですが、これが少ない男性は精子の尾がしっかりとせずに曲がりやすく、卵子の膜を破って受精しにくいことや運動能力が弱いという研究発表がされています。

プロテインにはこれが含まれていることから、精子を元気に強くして受精しやすいようにすると考えられています。
これらに関しては医学的にハッキリとした有用性がないことから、精子の質を高めるにはマカや亜鉛の摂取が好ましいとされているのです。

[プロテインが精子の量を増やす理由3:]精子の量や質が低下すると妊娠しにくい!?プロテインは効果をもたらす?

不妊の原因は男女半々の確率で、女性側の原因が卵子の質や子宮環境によるものであるのに対して、男性の原因は精子の質や量が減少する乏精子症とされています。

どうして乏精子症になるのかは、原因が特定できるものと不明なものに分かれますが、3割から4割近くはある原因により乏精子症になると考えられます。

乏精子症の原因

精子を作り出す精巣の血管の拡張や血流の悪さにより、正常な精子が作られなくない生産量が減少することが考えられます。この他にも先天的に精管に奇形がある、炎症により精子の運動能力が低下する事で起きる場合もありますが、適切な治療により妊娠できる可能性が高くなります。それ以外にハッキリとした原因が不明なものに関しては医学的にも治療が困難と言われているのです。

乏精子症はどんな治療が必要?

軽度の場合、サプリや漢方薬などを用いて精子の運動能力や質が向上するかを検査しながらみていきます。それでも改善できない場合には、人工受精などによる治療でしか妊娠する事が非常に難しくなります。

乏精子症は精子の生産量に問題があるので、プロテインが効果が高いのではないかと考える人もいますが、精巣の中で精子が作られない原因は「精子をつくりだすための栄養不足」が原因です。

それをプロテインだけで補うことはできませんし、プロテインがタンパク質として精子の原料となる為には、体の機能が正常に働くいていなくてはなりません。プロテインで精液が増えたところで、この中の精子の質が低ければ妊活しても満足できる結果には繋がらないのです。

婚活は夫婦は一つになり心を合わせて始めるものです。プロテインにしろ、サプリにしろ「効果を感じられない」「体調は良いけれど結果がついてこない」と感じるのであれば、夫婦で不妊の原因を調べて適切な治療を受けることも考えましょう。

精子は活性酸素に弱い!だからプロテインだけでは役不足

精子をしっかり作ることはもちろんですが、体が健康で精子が作られても体内で活性酸素が蓄積すると、劣化が進み質や量が減少し運動能力が低下することがわかっています。卵子の質の低下も、活性酸素が関係するように男性の精子も活性酸素が増えると正常な働きをしなくなります。

プロテインを飲めば必ず精子が増えることが確証できませんので、まずは活性酸素を除去する力を高めることを考えましょう。

活性酸素は喫煙やストレスによって体内に増えていきますし、食生活や生活習慣の乱れによっても除去能力が低下します。正常な精子であっても、年齢と共に質が低下したり運動能力が悪くなることもありますので、根本的な習慣の改善がより妊娠に近づくためのポイントにもなるのです。

精子の質を高くして妊娠しやすいようにするにはどんな栄養が必要なの?

タンパク質であるプロテインを摂取しても、それが精子になるわけではありません。精巣の働きを高めたり、活性酸素を除去して健康な精子を作り出す為には生殖機能に働きかける栄養をしっかりと摂取する必要があるのです。

亜鉛

亜鉛は勃起不全や前立腺の働きにも影響を与える重要な栄養です。亜鉛は人間が生きていくためには必須のミネラルで、妊活だけでなく免疫力を低下させたり肌荒れを起こしやすくなったりもします。新陳代謝や細胞分裂にも深く関係するので、性欲減退や精子の生成や運動を活性化するためにも不可欠なもの。

男性は付き合いも多く、飲酒をする機会が女性より多いために慢性的な亜鉛不足になりがちです。食事だけでなくサプリを利用して、精子が作られやすいようにする事も必要です。

リコピン

体には活性酸素を除去する抗酸化物質が存在しています。ポリフェノールは抗酸化物質の代表的なものですが、精巣の中にはリコピンが多く精子を守っているのです。アメリカの論文では、リコピンを摂取した男性の精子は正常な形状で運動能力も高いことが報告されています。

活性酸素の中でも、過酸化皮脂を作り出したりタンパク質を破壊する一重項酸素を除去する力が非常に高いことがわかっています。トマトを代表とする、赤い色素をもっている果物に多いのですが、効果的に摂取するにはトマトが一番適しています。リコピンは油に溶けやすいので、炒めたりオリーブオリーブやココナッツオイルと一緒に調理すると吸収力も高くなり効率的に摂取することができます。リコピンはサプリよりも食事でしっかり摂取する方が安全性も高いので食卓にできるだけ取り入れてみましょう。

ビタミンE

ビタミンEは精子の量を増やして運動能力を高めます。受精するためには、大切な2つの働きに大きく関わっていますので、食事でもしっかり摂取したいものです。ただビタミンE単体ではなく、ビタミンAとビタミンCを同時に組み合わせると強い抗酸化力を発揮してくれますのでサプリを選ぶ場合には、ビタミンのバランスにも注目してみましょう。

セレン

亜鉛と同じく必須ミネラルの1つで、タンパク質に組み込まれるとビタミンE、ビタミンCと共に体を酸化から守ってくれます。吸収率が高いので、普段の食事でも十分に摂取は可能ですがビタミン類と同時の方が精子の量や質を高めるのでマカなどのサプリを利用すると良いでしょう。

アルギニン

プロテインがタンパク質であるのなら、その構成に必要なのがアルギニンです。運動能力を高める働きもしますので、プロテインと同時に摂取するのが好ましいでしょう。アルギニンを効率よく働かせるには、妊活男性は4000mg以上が必要です。ゴマやアーモンドに多く、高野豆腐一枚で軽く摂取できます。アルギニンはビタミンB6により吸収率も高くなるので、肉類と一緒に摂取するとより効果的です。

プロテインをサポートする栄養も同時に摂取することが精子を元気にします

プロテインは精子をつくる元になるので、食事では良質なタンパク質が不足する人はどんどん摂取して良いと思います。ですが、そのタンパク質の酸化を防いだり、作くられる精子を活性酸素から守るためには様々な栄養が必要です。

精子の量が少ないからプロテインを飲むのではなく、あくまでも良質なタンパク質の摂取のためと考えた方が良いでしょう。プロテインを飲むのであれば、基礎代謝を高めるソイプロテインがおすすめです。吸収がゆるやかなのでダイエットにも効果があります。

プロテインはあくまでも、基礎代謝を高めたり不足するタンパク質の補給がメインであり、作られた精子をいかに健康な状態に保つのかを考えると抗酸化力のある栄養をしっかり摂取し、有用成分を食事やサプリでサポートすることです。良質なタンパク質は男性の体にも必要ですから、プロテインを飲んではいけないとは言いませんが、それだけで精子を増やす事は難しいのです。

喫煙習慣や激しいスポーツを日常的に行っている、睡眠不足やストレスを溜めやすい生活習慣の人や抗酸化物質を含む食品不足、飲酒を好んで亜鉛不足である男性は、活性酸素により精子が正常な状態をキープできなくなっている可能性が高いです。妊活を真剣に考えるのであれば、プロテインだけでなく妊活力を高めてくれる栄養をしっかり摂取するようにしましょう。

プロテインだけではなく葉酸も精子には必要?

先天性異常は女性の卵子だけでなく精子にも関係します。正常な精子と卵子が受精卵になれば細胞分裂も速やかになり先天性異常を回避できます。

精子の分裂にも葉酸は関わりますし、生殖機能の働きにも葉酸は深く関わっています。男性が必要な葉酸は240ugで、食事で野菜類をしっかり食べていればクリアすることができる量です。

男性の葉酸摂取については、2008年の先天性異常の軽減のデータに基づき「男性も妊活には葉酸が必要」といわれていますが、最新のデーターではサプリによる過剰摂取が異常リスクを高くしてしまうとも言われています。

食事のバランスが悪い人や野菜が嫌いで偏食がちな人は、サプリや青汁を利用してを積極的に飲んだ方が良いでしょう。その場合には女性向けのものではなく、男性の妊活に適した成分が配合されたものがおすすめです。

男性の場合、女性の必要な葉酸の半分の量ですが、その他に精子に必要な栄養を考えると葉酸だけにこだわらずに、本当に必要な成分を摂取した方が効率的。

男性のための葉酸サプリはないので、通常のものを半分から半分以下にして自分でコントロールする必要があります。
一般的な葉酸サプリは、妊婦をメインにした栄養バランスになっているので中には男性の精子の質を高める成分が不足している場合もあります。

先天性異常リスクには確かに葉酸は素晴らしい働きをしますが、その力は女性側への影響の方が高く、男性の精子の場合には質だけでなく運動能力を高くして卵子の膜を破り受精する力も求められます。そう考えると、プロテインや葉酸だけでなく、精子の生成がきちんとされ活性酸素から守り健康な状態で受精できるようにする栄養も考えなくてはいけません。

葉酸がまったく必要ないとは言えませんが、それ以外にも有用性が認められている成分をしっかり摂取することが大切なのです。

男性の妊活は、まだまだデーターが少なく確定的なことが分かってはいませんが不妊の原因となるのが精子の質と運動能力の低下であることを考えると、それをサポートすることができる成分を摂取し、夫婦で生活習慣や食事などのトータル的な改善も同時に行うべきなのです。

精子とプロテインの関係性について[まとめ]

精子は射精できるからたくさん存在するものではありませんし、プロテインを飲むことで精液が増えるかもしれません。問題は量ではなく質と健康で元気であること。それをよく考えて、本当に自分に必要とする成分を摂取し妊活をスムーズにしていきましょう。

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