ビタミンA

ビタミンAには動物由来と植物由来の2種類があります

レチノール

ビタミンAには「レチノール」「レチナール」「レチノイン酸」の3つの成分がありますが、人間の体内に存在するビタミンAのほとんどが動物性の食品に含まれる「レチノール」の形です。
一般的には、ビタミンA=レチノールとされています。免疫力の維持に関わる健康に欠かせない栄養素です。ビタミンAは脂溶性ビタミンであるため、摂りすぎてしまうと肝臓や脂肪組織に蓄積され、過剰症を起こすことがあります。

β-カロテン

植物性の食品中に多く含まれる「β-カロテン」は、体内でビタミンAに変換されるプロビタミンA (ビタミンAになる前の状態)) です。

β-カロテンの場合、体内でビタミンAが不足すると、必要量だけがビタミンAに変換されます。
変換されないβ-カロテンは脂肪組織に蓄えられるか、または排泄されます。そのためβ-カロテンの上限量については定められていません。

ビタミンAを含む食品は?

 

動物性食品(レチノール)

 鶏・豚レバー、うなぎ、銀たら、乳製品(牛乳、バター、チーズ)、卵など。
 

 植物性食品(β-カロテン)

  しそ、モロヘイヤ、人参、春菊、豆苗、ほうれん草、かぼちゃ、小松菜など。

妊娠中にビタミンAを摂りすぎると?

赤ちゃんに影響するビタミンAの過剰症

妊娠中にビタミンAを過剰に摂取すると、赤ちゃんに奇形や先天性異常などの危険性があると言われています。
ビタミンAは、骨格の配置や形を決める遺伝子や骨格のパターン形成をする遺伝子の制御に関与しているためです。

健康食品、動物性食品に注意

 前述のとおり、植物に含まれるプロビタミンAのβ-カロテンについては、必要な分だけがビタミンAに変換されるため、摂り過ぎについての心配はいりません。
厚生労働省は、妊娠3ヶ月以内又は妊娠を希望する女性は、ビタミンAを含有する健康食品やビタミンAを高濃度に含有する食品等の継続的な多量摂取により、妊婦の推奨量を超えるような過剰摂取をしないよう注意喚起しています。

 

レバーやうなぎは食べない方が良い?

 妊娠中の1日のビタミンAの推奨量は、650~780μgRAE※(年齢や妊娠週数によって異なる)で、耐容上限量(レチノール当量)は2,700μgRAEです。
(※ビタミンAの単位は、RAE=レチノール当量 で表します)
 この推奨量を食品に換算すると、うなぎの蒲焼50g、レバーなら4.5~6g程度となります。食べられる量はかなり少量であることが分かります。
ただ、ビタミンAの上限量を超える量のうなぎやレバーを頻繁に食べることがなければ、食べることを制限することまではしなくても良いでしょう。

ただし、うなぎやレバーを食べることに重ねてサプリメントなどでビタミンAを摂ることのないよう、注意が必要です。
1日の摂取量を守ることだけでなく、1週間、1か月など少し長いスパンで食べる量を調整する意識をしましょう。

妊娠中にビタミンAが不足すると?


 

ビタミンA不足の影響

 ビタミンAは、細胞の分化や正常な成長促進に関わります。そのため、推奨量を下回ることが続くと、赤ちゃんの発育不全に繋がります。

妊娠中にビタミンAをとるならβ-カロテンを積極的に摂りましょう

焼き海苔
妊娠中は、少なすぎず多すぎず、適正な量のビタミンAの摂取が必要です。
過剰症の心配のないβ-カロテンを含む緑黄色野菜を積極的に摂り入れるようにしましょう。
β-カロテンは油に溶ける性質がありますが、逆に水には溶けにくい=人間の体には吸収しにくい性質です。そのため、油と一緒に摂ることで吸収率を上げることができます。
例えば、にんじんを生で食べた場合、β-カロテンの吸収率はわずか10%、すりおろすと21%、塩ゆですると47%、油で炒めると一気に80%の吸収率となります。大量の油は必要ありませんが、効率良く摂取するために、適量の油と組み合わせましょう。

βカロテンをたっぷり摂れる簡単レシピ

豆苗とえのきのバター煮浸し
「豆苗とえのきのバター煮浸し」
 豆苗は、ほうれん草に匹敵するほどのβ-カロテンが含まれています。

また、焼き海苔にもβ-カロテンが含まれます。バターの油分でβ-カロテンの吸収率アップ

レンジで加熱して出てくる水分だけで、豆苗のシャキッと感が程よく残る煮浸しの完成です。

 【材料】 2人分

  • 豆苗・・・1パック
  • えのき ・・・1/2パック
  • バター ・・・10g
  • めんつゆ(3倍濃縮)・・・小さじ2
  • 塩・・・適量
  • 焼き海苔・・・1/2枚

【作り方】

  • 豆苗は長さを3等分に切る。えのきは半分に切りほぐしておく。
  • 耐熱ボウルに、①とバターを入れ、めんつゆを回し入れる。
  • ラップをかけて電子レンジで600Wで2分加熱する。塩で味を調え、ちぎった焼き海苔を加え混ぜ合わせる。
執筆:管理栄養士 水澤美菜子
管理栄養士が教える葉酸サプリの賢い選び方